【セッションレポート】Solar API を用いた TEPCO(サンクル)が提供する次世代のユーザー体験 #GoogleCloudNext
データ事業本部 インテグレーション部 イニシアティブチームのはんざわです。
Google Cloud Next Tokyo '24の『Solar API を用いた TEPCO(サンクル)が提供する次世代のユーザー体験』のセッションでは、Google Maps PlatformのSolar APIを活用した「サンクル(Suncle)」が紹介されました。
「サンクル(Suncle)」とは、東京電力ホールディングス株式会社が運営する太陽光発電導入支援サイトです。
本ブログを読んで興味を持たれた方は、ぜひ以下のリンクからアクセスして試してみてください。
セッションの概要
Google Maps Platform に昨年新たに追加された Solar API の活用事例として、東京電力が提供する「サンクル」が実際に提供しているユーザー体験をデモを交えてご紹介します。Solar API の利点やユースケース、太陽光発電に関する最新情報はもちろんのこと、地図・航空写真への有効なデータ描画事例についてもご紹介致します。
登壇者(敬称略)
- ジェンキンズ 真佐美(東京電力ホールディングス株式会社)
- 勝谷 北斗(Google Cloud)
セッションレポート
アジェンダ
- Solar APIとは
- Suncleの概要と背景
- なぜGoogle Solar APIなのか?
- ユースケースと見えてきた効果
- Wrap up
Solar APIとは
まず初めに勝谷さんからSolar APIについての紹介がありました。
Solar APIとは、Google Maps Platformの1つの機能です。
そもそもGoogle Maps Platformとは、Googleが提供する地図機能を統合するための開発者向けツールでMaps、Routes、Places、Environmentの4つの製品カテゴリがあります。Solar APIは、この中のEnvironmentに分類されます。
Environmentを除く残りの3つのカテゴリは、皆さんが日常的に利用しているGoogle Mapsで頻繁に使われています。
具体的な例として、静的な地図、目的地への移動時間、建物名などが挙げられます。
一方で、Environmentは比較的新しく追加されたカテゴリになります。
Environmentをさらに細かく分類すると、Solar、Air Quality、Pollenの3つのサブカテゴリがあります。
Solar APIを使用すると建物の屋根の日射量、設置可能エリア、潜在的な発電量など太陽光発電システムの導入に必要な情報が取得できるようです。
また、Googleも独自の太陽光発電システムの導入を支援するためのツール「Project Sunroof」を運営しているようです。
興味がある方は、こちらも確認してみてください。
Suncle
続いて、ジェンキンズさんからSuncleについて以下のトピックで紹介がありました。
経済産業省の資料によると、再生可能エネルギーの施策として、2030年までに103.5GWから117.6GWの太陽光発電の導入を目指しているようです。直近の実績として、2023年12月時点で既に約73GWの導入に成功しているようです。
つまり、この目標を達成するためには毎年約5GWの新規導入が必要であり、約60平方キロメートルの太陽光パネルが必要となるようです。
驚くべきことに、これは山手線内の面積とほぼ同じだそうです。
そのような背景がある中で誰でも簡単に太陽光パネル導入にかかる料金の試算ができるサービスとして、Suncleを提供しているようです。
Suncleには、いくつかのプランがあり、次のキャプチャのように住宅用であれば無料でシミュレーションが可能なようです。
従来は施工会社に依頼して家の屋根に登り、面積を測定して料金の見積もりを出してもらう必要がありました。
非常に手間がかかりますね...
住所を入力するだけで以下のキャプチャのように日射量のビジュアルや収支計算の詳細、損益分岐点のグラフなど様々な情報を確認できます。
Suncleの裏側は、Solar APIと国内のデータやTEPCO様の知的資本のデータを組み合わせているようです。
例として、地域ごとの設置費用の目安や各自治体の補助金情報などが国内データに該当するそうです。
以下のキャプチャの左側のように、Googleの機械学習で木やマンションなどの障害物を考慮した日射量が可視化されます。
写真だと少しわかりづらいですが、地図の上側のマンション群は色が濃く、逆に下側の海周辺は色が薄くなっていることがわかると思います。
このように周囲の建物を考慮した日射量が可視化されます。
また、会社名などのキーワードで場所を検索することも可能だそうです。
最後に営業担当者の方のメッセージで締め括られました。
感想
本ブログでは、Google Cloud Next Tokyo '24の『Solar API を用いた TEPCO(サンクル)が提供する次世代のユーザー体験』のセッションレポートを紹介しました。
筆者もSuncleを使って実家で太陽光パネルの導入シミュレーションを試してみましたが、操作が簡単で非常に見やすいUIでした。
太陽光パネルの導入を検討されている方は、ぜひ利用してみてください